宇治茶とは?日本三大銘茶の魅力にせまる!
お茶で有名な産地というと、どこが思い浮かびますか?
そう!京都の宇治ですね。
宇治茶、宇治抹茶など、お菓子などにもよく使われているので、聞き覚えがあるかと思います。
私も“宇治”がつくだけで、本物の濃いお茶!と期待してしまいます。
それもそのはず、宇治茶は静岡茶・狭山茶と並んで、日本三大茶としても有名なお茶なのです。
では、そんな宇治茶には、どんな特徴や魅力があるのでしょうか?
宇治茶の特徴!味と香りで選びたい方におすすめ?
宇治茶の最大の特徴は、なんといっても香りです。
宇治茶は高級茶としても知られていますが、香りも同様に、すがすがしく、気品漂う上品さを感じさせる香りを持っています。
なので、香りを重視される方には、宇治茶はとてもおすすめです。
味は割と薄味で、口に含んだ際は少し苦味を感じます。
ところが、喉を通るとお茶の旨味・甘みに変化し、深い味わいを感じることができるんですよね。
最初は苦味に意識がいってしまいがちです。
でも、喉を通った後まで、味に意識を集中させてみると、この宇治茶の本当のおいしさに気づくことができますよ。
このように、味わいの変化を感じることができるのも、宇治茶の特徴です。
私は毎日ご飯の後にお茶を飲むのですが、宇治茶はどちらかというと、一日が終わる時にリラックスしながら飲むお茶という感じ。
味・香りとともに、優しくゆったりとした気持ちにさせてくれるお茶です。
また、口当たりがマイルドなので、お客様がいらした時のおもてなしにもぴったりです。
きっと宇治茶を飲みながら、ゆったりとした気持ちでくつろいでいただけるのではないでしょうか。
最近とても増えてきた外国の方、お茶は味がないとおっしゃる方が多いので、宇治茶のように香りが際立っているお茶をお勧めすると、喜んでくれます。
ところで、これだけの魅力を持つ宇治茶ですが、その特徴はどのように生まれるのでしょうか?
その秘密を宇治茶の歴史からひもといてみましょう。
宇治茶の歴史!日本三大銘茶になった理由とは?
今や日本三大茶と呼ばれるほどのお茶の巨大産地となった宇治。
実は、これほどまでに宇治茶が有名になったのには、歴史的に3つの理由があると言われているんですね。
では、1つずつ簡単にご説明しましょう。
理由1.お茶の栽培に適した宇治の環境!2つの条件とは?
宇治茶が栄えた一つ目のポイントは、お茶の栽培に適した環境です。
お茶の栽培に適した環境というのは、以下2つの条件が挙げられています。
- 年間雨量が1,300mm以上あること
- 年間平均気温が14〜16度
また、京都は盆地であるため、昼夜の寒暖差が激しいことが、香りのよいお茶を作りだしていたのです。
宇治茶が最初に日本に上陸したのは、鎌倉時代(13世紀)とされています。
中国に渡っていた日本臨済宗の開祖である栄西という禅師が、中国からお茶の種子を明恵上人(みょうえしょうにん)という僧に送ったことがその始まりです。
明恵上人は最初、京都の栂尾(とがのお)近くの高山寺にその種を植えました。
しかし、その後には宇治でもお茶の栽培を始めたのです。
他の土地ではなく、地形や自然条件がお茶の栽培に適していた宇治だからこそ、お茶の栽培を広めることができたのですね。
理由2.宇治から生まれた茶文化!闘茶って何?
宇治茶の生産が拡大する一方で、お茶を飲むという文化も少しずつ庶民の間に広がっていきます。
そして、14世紀半ばには、庶民の間でもお茶を飲む習慣が根付き、宇治茶は本格的なお茶の栽培を開始します。
お茶を飲む習慣が広がったことで、室町時代にはある遊びが流行りました。
違うお茶の産地を飲み当てる「闘茶」です。
宇治茶は、その香りと味が独特なことから、闘茶でも注目されました。
また、その品質の良さも併せて、高く評価されるようになっていったのです。
やがて、喫茶の習慣は料理と組み合わされ、「茶の湯」という形に変わっていったわけです。
戦国時代には、織田信長や豊臣秀吉といった権力者の力を借り、「天下一の茶湯者」として、千利休が宇治茶の地位向上に努めました。
宇治茶は、こうした歴史の中で、その地位を確立してきたのですね。
しかし、江戸時代、お茶を飲む文化が広く大衆に根付いたことで、各地でお茶の生産が盛んになります。
結果として、宇治茶の存在にも、影が差すようになったのです。
では、宇治茶はどうやって生き残っていったのでしょうか?
理由3.永谷宗円による宇治茶製法の確立がすごかった!
宇治茶の救世主、それが永谷宗円です。
【写真引用元:マイ大阪ガス】
(字面から想像される通り、現永谷園は、この永谷宗円の子孫の一人が創業した会社です。)
この永谷宗円が宇治茶製法を確立させたのです
そのことで、宇治茶の品質は向上し、日本茶の歴史にもその名を刻むことができたわけです。
2004年、社団法人京都府茶業会議所は宇治茶の定義を次のように定めました。
宇治茶は、歴史・文化・地理・気象等総合的な見地に鑑み、宇治茶として、ともに発展してきた当該産地である京都・奈良・滋賀・三重の四府県産茶で京都府内業者が府内で仕上げ加工したものである。
ただし、京都府産を優先するものとする。
【引用元:社団法人京都府茶業会議所】
宇治茶は日本三大茶としてだけではなく、その高いブランド力も特徴の一つです。
これからも、宇治茶の高い品質は守られ、続いていくのでしょうね。
宇治茶の魅力もさることながら、その背景には、これだけの歴史があり、多くの人の手を経て、今の地位を確立してきたといえます。
では、その宇治茶の歴史ある老舗をご紹介していきましょう。
宇治茶の老舗は?選りすぐりの8つをご紹介!
宇治には、実は有名な老舗茶屋がいっぱいあります。
では代表的なお店を一気に8つご紹介しましょう。
創業は平安時代、なんと西暦1160年!
850年以上も続く老舗中の老舗です。
現在の通圓の建物は、寛文十二年(1672年)に建てられたもので、江戸時代の町家の遺構を残す建物となっています。
この建物は、お客様が出入りしやすいようにと考えられた江戸時代初期の建築方法で建てられており、店の間には数百年を経た茶壷がならび、「初代通円」の木像も祀られています。
足利義政や豊臣秀吉、徳川家康を始めとする名だたる武将も、この通圓でお茶を飲まれたことが記録に残っている、由緒ある老舗です。
吉川英治の小説「宮本武蔵」にも出てくるので、歴史にご興味がある方はぜひ読んでみてください。
元祖は源頼政の家臣で、古川右内という武士だと言われており、現在は、二十四代目がお店を守っています。
永禄年間から十四代続く上林春松家。
その始まりは、お店の名前にもある通り、丹波・上林郷から宇治に移住した初代が、お茶の製造業に携わったのが始まりと言われています。
幕府へ納めるためのお茶を作るために、茶園の管理や製造・お茶詰めの作業まで、すべての工程を管理していました。
そんな幕府とのパイプを持った春松家は尾張徳川家と阿波蜂須賀家との交流が深く、長屋門の屋根に蜂須賀家の家紋が入った瓦を見ることができます。
お茶以外でも、一見の価値がありそうですね。
丸久小山園は、元禄年間、宇治小倉の里で小山久次郎が茶の栽培と製造を手掛けたのが始まりです。
以来、宇治茶の伝統と品質の改善に努め、数々の賞を受賞しています。
実際、昭和42年から今まで、全国茶品評会などで常に上位に位置し、農林水産大臣賞を数多く受賞しています。
これはお茶の品質が高く保たれ、常においしいお茶を提供している名門の老舗の証でもあります。
現11代目の小山元治氏は、全国茶審査技術競技大会というお茶の鑑定をする大会で、初めて満点で優勝を果たしたお茶の鑑定人であり、国から章を授けられています。
1717年創業の老舗お茶屋です。
ただ、そもそもは近江出身の初代が、京都に茶・茶器・陶器を扱うお店として「近江屋」を出したのが一保堂の元祖です。
次第に、近江屋の扱うお茶の品質の良さが評判を呼ぶようになりました。
そして、今から約170年前の1846年、「茶、一つを保つように」と「一保堂」の屋号に変更されました。
以来、木津川、宇治川両水系の気候で栽培された茶葉を使用し、宇治発祥の「宇治製法」でつくられたお茶を中心に取り扱う老舗茶屋として、今でも評判のお店となっています。
明治8年、京都に開業したお茶の専門店。
お抹茶の方をメインで扱っていますが、宇治茶も取り扱っています。
選りすぐりの茶葉を、京都風にあっさりと焙煎しています。
かりがねを使用したお茶や、深い味わいと他にはない香りを楽しめるほうじ茶が有名。
初代中村藤吉が1854年に現本店の場所にて、自分の名前のお店を創業しました。
当主は、代々“中村藤吉”を襲名し、現在は6代目が継いでいます。
これまで、皇室に献茶したこともあります。
なので、抹茶が有名で裏千家の家元から茶銘をもらうなど、数々の名誉を受けている老舗お茶屋さんです。
2009年には「宇治の文化的景観」が重要文化的景観に選定されていますが、なんとその中に、ここの本店も選ばれているんです。
明治期の茶商屋敷の代表的な建物群として選ばれており、歴史や建物に興味のある方は、訪問の価値ありですよ。
1860年、宇治茶はその存続の危機にありました。
そんな中、「辻利」の創業者である辻利右衛門は、茶櫃(木の箱の内側にブリキを貼り付けたもの)を考案して、そのお陰でお茶の保存状態が良くなり、お茶の販路拡大に成功しました。
また玉露の茶葉を針のような形をしていますが、それを美しく仕上げる「玉露製法」を完成させ、高級茶といえば宇治茶、といわれるまでとなった宇治茶の復興に尽力したのです。
宇治茶に貢献した「辻利」の歴史は、そのまま宇治茶復興の歴史とも言えるでしょう。
現在は5代目が継承しています。
江戸時代の後期から、伊藤久右衛門の茶づくり始まりました。
品質にこだわり、丁寧に仕上げたお茶は、多くのお寺からも支持されています。
何よりも上質な宇治茶作りにこだわっていて、宇治を代表する生産農家と契約し、経験豊富な職人による”手摘み一番茶”だけを使用するというこだわりぶり。
時代にあわせて変化しながらも貫いている、伊藤久右衛門が大切にしている五箇条があるんだとか。
伊藤久右衛門の思いが伝わってきますので、よろしければHPをご覧になってみてください。
さて、いかがでしょう?
さすがは歴史のある宇治ですね。
たくさんの店舗があり、それぞれの老舗からも歴史を感じさせられます。
ところで、これだけの老舗が宇治茶を扱っていますが、どこのお店で何を買ったらいいか、迷ってしまいませんか?
そこで、最後に、どのお店の宇治茶が人気があるのか人気ランキングを見てみましょう。
宇治茶のランキング!おすすめベスト3のお茶はどれ?
今回は、Best Presentの人気ランキングから、ランキングをご紹介します。
まずは3位!水出し煎茶です!
かぶせ茶と付加無視の煎茶を絶妙の割合でブレンドしたものです。
水で抽出することにより、渋みの少ないすっきりとした甘い味わいが感じられます。
見た目も、薄めの少し青みがかった透明な黄金色がとてもきれいです。
京都の茶匠、みのる園が販売しています。
次は2位!宇治ほうじ茶です。
日本らしいパッケージが使用され、見た目もかわいくラッピングされています。
茶葉の品質と安心安全にこだわり、最終工程は手作業により、心をこめて作られています。
そして堂々の1位は・・・
玉露です!
玉露はかぶせ茶を使用しています。
玉露のようなとろりとした甘さは控えめですが、煎茶の持つ爽やかな香りとのハーモニーが楽しめる商品です。
宇治茶に限らず、煎茶・ほうじ茶・玉露は不動の人気ですね。
特に香りの良い宇治茶、ぜひお取り寄せしてみてはいかがですか?
では、宇治茶についていろいろとお伝えしましたので最後にまとめましょう。
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まとめ
では、最後にまとめです。
今回は、宇治茶の特徴・歴史・老舗・おすすめのお茶をご紹介しました。
宇治茶は香りがとても良く、口当たりが優しいお茶でした。
700年続く宇治茶の歴史は、宇治がお茶の栽培に適していたこと、お茶文化が広まったこと、そして永谷宗円による宇治茶製法の確立があったからです。
そして、宇治には老舗が8つあり、それぞれ歴史や特徴がありました。
宇治茶の一番人気は玉露でしたね。
抹茶味のスイーツは人気で私もよく食べますが、たまにはスイーツではなく、宇治茶の味わいを楽しみながら、宇治茶に合うお菓子を探してみてはいかがでしょう。
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