静岡茶とは?生産量日本一の秘密に迫る!
静岡というと、しらすや桜えびなどの海産物、みかんなどの名産がありますね。
・・・が!お茶も生産量が一位だってことを知っていますか?
緑鮮やかなお茶の段々畑を、車窓などから見たことがある人も多いと思います。
とてもきれいな景色ですよね。
静岡茶は生産量だけではなく、宇治茶、狭山茶とともに、日本三大茶としてもその実力を示しています。
ここでは、静岡茶の味の特徴や歴史、おすすめのブランドをご紹介していきましょう。
静岡茶の特徴は20種類近くもあるの?
まずは静岡茶がどんなお茶なのか、味や香りの特徴をみていきましょう。
・・・と言っても実は、この静岡茶、産地によって味わいが違います。
なので、静岡茶というくくりでこういう味ですよ、とお伝えすることが難しいんです。
全体的には渋みが少なく、濃い味わいで甘さをより感じられるお茶の特徴を持つのですが、個別で見ていくと、味も香りも違いがあることがわかります。
では、なぜ静岡茶はそんなに産地によって味わいが変わるのでしょうか?
それは、お茶の産地によって気候が全然違うので、同じ静岡でも育つ環境で味が変わってしまうからです。
静岡県内だけで20近くもお茶の産地があるとか。
つまり、静岡茶の特徴も20種類近くあるということになりますね。
なので、ここでは、そんなたくさんある産地の中から、おいしいと評判の魅力的な静岡茶の種類をご紹介していきます。
静岡茶のブランドでおすすめは4種類?
生産量日本一の静岡茶の中で、おすすめのブランドが4つに絞られる!
・・・と言われたら、お茶好きの方は、絶対に知りたいと思いますよね?
ここでは、静岡茶の中でも、特に有名な4種類の静岡茶ブランドをご紹介します。
(1)川根茶
川根茶は、南アルプスを水源とする大井川の上流、山間地域で育つお茶です。
おいしい水、山の中のおいしい空気や豊かな土など、恵まれた条件の下で育ったお茶は、その味も格別です。
何度も品評会で受賞するほどのおいしさを持っています。
ちなみに、お茶としては、とても色が薄いです。
ところが、その見た目とは裏腹に、香りはとても豊かで、味わいも甘さをしっかり持ったとろりとまろやかさのある味わいとなっています。
香りの高さは本当に優秀で、お茶の袋を開けた瞬間に香りが立ち、お茶を淹れた後の急須からも、まだ放たれる強い香りは、川根茶独特のものでしょう。
味も甘さが強いので、渋みが苦手という方にはぜひおすすめしたいお茶です。
余談ですが、川根畑の中をSLが走っているので、電車好きの方にもおすすめですね。
(2)掛川茶
掛川は、よく聞く地名ですね。
ここでも、お茶の栽培がされています。
掛川は、穏やかな気候、お茶の栽培に適した適度な降雨量、そしてなだらかな傾斜の地形(ここでお茶の段々畑が良く見られます)と、お茶の栽培に適した環境が整っています。
そして、掛川のお茶の栽培方法で特徴的なのが、「茶草場(ちゃぐさば)」というものです。
これは、秋から冬にかけての寒い時期、草地から草(ススキやササなどが代表的)を取ってきて、茶畑に敷く栽培方法です。
こうすることで、お茶畑の土が豊かになり、その土からの栄養でお茶の味や香りが良くなるのだそうです。
掛川は深蒸し茶で有名で、品評会でも数多くの賞を受賞しています。
深蒸し茶の製茶法によって、濃くまろやかな掛川茶のおいしさを、ぜひお試しください。
掛川の名物は、段々畑だけではなく、山に「茶」の文字がみられる場所もあるんですよ。
気になる方はぜひそちらも探してみてください。
(3)本山茶(ほんやまちゃ)
川根茶が南アルプスの上流域で育つのに対し、この本山茶は南アルプスのふもとに近い場所で作られています。
安倍川や藁科川といった川の上流で、主に栽培されています。
こちらも山の恩恵であるミネラルが豊富な水・土と、川の霧というお茶に適した栽培条件の下で育っています。
本山茶は、安倍川で育ったことから、安倍茶といわれていた時代もありました。
しかし、お茶の品質を他と区別し、本物のお茶であるということを示すために、本山茶という名前に変わったと言われています。
ここの地域で取れる茶葉は、葉っぱが柔らかく、葉の色がとても鮮やかです。
ですが、お茶にすると緑色よりも黄色に近い金色のお茶となります。
味わいは上品な口当たりで、優しく、それでいて爽やかな味わいとなっています。
香りも同様に、それほど強くはないけれどもしっかりと香る、上品な感じです。
(4)天竜茶
天竜茶は、その名の通り、静岡県浜松市の天竜地区がある山間地で作られるお茶です。
山間地なので、寒暖差が他よりも大きく、澄んだ空気と清らかな水、そして豊かな大地で育ちます。
想像しただけで、清らかさを感じますね。
想像通り、お茶にすると透き通ったとてもきれいな黄緑色になります。
まるで山間部を思わせるようなすがすがしく爽快な香りを持ち、他の静岡茶よりも少し渋みを残しつつ、うまみとのバランスが絶妙です。
のどごしも良く、飲んだあとまでおいしさの余韻が残りますので、ぜひ試してみてください。
さて、代表的な静岡茶を4つご紹介してきましたが、気になる味や香りのお茶はありましたか?
ところで、これだけの様々な種類を持つ静岡茶ですが、なぜこんなにも茶園が増えたのでしょう?
実は、その理由は静岡茶の長い歴史の中にあるのです。
どのような背景でここまで茶園が増えてきたのか、その歴史を見てみましょう。
静岡茶の歴史!お坊さんのお土産から始まったの?
種類豊富な静岡茶、どのように各地方に広まり、茶園ができていったのか、その歴史を見ていきましょう。
静岡茶のルーツは、平安時代までさかのぼります。
唐へ修行に出ていた僧たちが日本に持ち帰った「土産物」の中に、お茶の種があったことがその始まりと言われています。
静岡にお茶を伝えたのは、聖一国師(しょういちこくし)という僧侶。
【画像:西日本新聞ホームページ】
彼の故郷が駿河だったため、帰郷の折、お茶の栽培が広まったとされています。
江戸時代には、それまで薬として主に飲まれていたお茶が、「茶の湯」という文化になり、薬から大衆へと広まっていくきっかけとなりました。
こうして、お茶の文化が庶民の間でも広がるようになり、お茶の栽培も少しずつ盛んになったわけですね。
さらに、明治時代には藩士や人足が職を失い、お茶の開墾に従事するようになります。
そのことで、静岡でのお茶の開拓が進み、茶園が増えていったと言われているのです。
また、この時代には特に、牧ノ原地区の開拓が進みましたが、それまでは水はけが悪い地域として農業には向かないとされていたんですね。
ところが、それが、あまり水を必要としない静岡茶の栽培を始めるとともに、広がっていきます。
結果として、静岡県の各地方で茶畑が見られるようになり、生産量も日本一へと増えていったのです。
やがて時は流れ、今では日本三大茶としても、押しも押されもせぬお茶になったわけですね。
では、静岡茶の特徴についていろいろとお伝えしましたので、最後にまとめましょう。
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まとめ
では、最後にまとめです。
静岡茶の味の大きな特徴は、濃くて甘みのある味わいです。
産地によって、細かく味や香りが違うので、4種類の代表的な種類を紹介しました。
静岡茶が日本一となった歴史上の理由は、お茶の広がりやお茶栽培への取り組みでしたね。
実は、私は静岡で茶摘み体験や製茶工場に行ったことがあります。
茶摘みの時には、茶娘衣装を着て、なりきることができますよ。
静岡茶に限りませんが、お茶摘み体験や製茶の工程を見ることで、お茶の味わいも格別になります。
ぜひお試しあれ。
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