八女茶とは?お茶好きにはたまらない有名ブランド
八女茶、と書いて何と読むかご存じでしょうか?
これで、“やめちゃ”と読みます。
福岡県の八女市という場所で栽培されているお茶を八女茶といいます。
実は、お茶好きにはとても有名なお茶ブランドです。
この地方には八女津姫という女神がいるという言い伝えがあり、そこから八女という名前がついたと言われています。
女神がいる地方で栽培されているお茶、と聞いただけで、何か特別な感じがしませんか?
今回は、その八女茶の特徴や歴史、おすすめのブランド等をご紹介していきます。
八女茶の特徴!高級玉露の有名ブランド?
八女茶、その名は割とよく聞かれる名前ですが、どのようなお茶なのでしょう?
八女茶は、高級玉露のブランドとしてとても有名なんですよ。
玉露は、とろりとした口当たりの濃く深い甘みがあるという特徴があります。
八女茶も、甘さが引き立ち、旨味を強く感じるおいしいお茶と評されています。
これは、玉露を育てる方法によるのですが、寒暖差が激しく、湿度の高い土地で育つことにより、アミノ酸が豊富に含まれ、甘みを強く感じる味わいになります。
しっかり育った分、渋みもそれなりにありますが、それを感じさせないほどの甘さを持っているのです。
また、香りもとても強く、お茶本来の香りを楽しむことができます。
ふくよかな、というよりは、しゃんとするような、少し自己主張の感じられるしっかりとした香りです。
茶葉が他のお茶よりも少し細かいため、急須はより細かい目のものを選んでいただいたほうがいいのですが、茶葉が細かい分、お茶自体の色はより強く出ます。
緑色というよりは、少し水色がかったような、深く濃い目の色合いです。
このように、お茶としての見た目、香り、味、それぞれのバランスがとても良いのが、八女茶の特徴です。
では、八女茶がどのように八女市に来て、どんな過程を経て高級茶になっていったのか、その歴史を見ていきましょう。
八女茶の歴史!高級玉露が自然に育つ環境がすごい!
日本に様々な種類があるお茶の中で、八女茶がどうやって高級玉露として評されるようになってきたのか、気になりますよね?
そもそも日本のお茶の始まりは、12世紀終わり頃。
栄西という禅師が中国からお茶の種を持ってきたことに始まります。
そのお茶の種が、博多に運ばれ、あるお寺でお茶を植えたのが八女地方を含む福岡県のお茶の始まりとされています。
15世紀初めには、周瑞という禅師が中国でお茶の製法や飲み方を学びます。
それを、八女茶発祥の地とされる霊巌寺に持ち帰ったことで、八女茶が広まっていったのです。
八女地方の環境がお茶の栽培に適していたことも、高級茶を生む理由の一つです。
太陽がよく当たる山間部のため、昼間は気温が高くなりますが、夜は山間部特有の気候で冷え込みます。
この寒暖差と、年間の降雨量が、周瑞という禅師が学んだ製茶法にとても近かったのです。
さらに、この地方は霧が発生しやすいため、日光を程よく遮ることで、玉露となる茶葉の育成が活発となります。
というのも、通常玉露というのは、新芽が育つ時に覆いをして一定期間光をさえぎって育てます。
被覆栽培(ひふくさいばい)と言います。
ただ、八女地域では普段からこの霧によって太陽の光を適度に遮断することができるので、覆いを使うなどしなくても、自然に玉露として育つのです。
このような環境がないところでは、収穫前に3週間ほど日光に当てない期間を作り、収穫後も玉露として作るための過程が必要となります。
普通の茶葉から、手間とコストをかけて玉露を作り出すのです。
自然と普通の茶葉よりも価格は高くなりますね。
八女地方では、玉露にかける手間が他の地域より少ないのですが、玉露自体の品質には変わりがないため、価格は他の地域と変わらず高いまま販売することができます。
八女茶は玉露という高級茶を栽培することができたため、高級茶としての地位を得ることができたのです。
でも、何もせずに玉露が栽培できたからといって、努力をしてこなかったわけではありません。
何回かの危機を乗り越えて今に至り、味が落ちないようしっかり確かめ、品質にはこだわり、八女茶の名を守ってきているのです。
“八女茶”という命名は大正時代にされました。
なので、そこだけ聞くと歴史としては浅いように感じますが、随分前からお茶の栽培は続けてきており、その品質は揺るぎません。
では、そんな品質を守り続けている八女茶を代表する老舗と、味にこだわっているお店を3店舗、ご紹介しますね。
八女茶でおすすめのお店は?
八女茶に行ったら外せない老舗のお茶屋さんと言えば、次の3店舗でしょう。
八女茶のおすすめ店(1)許斐家
まず1つ目のお店は、許斐家。
なんて読むのでしょう。
“このみや”という、九州で一番古いとされているお茶屋さんです。
八女茶の歴史のところで、お茶を輸出していた時期があったと書きましたが、お茶の輸出に本格的に取り組んでいたのが、許斐家の5代目です。
専門問屋として輸出業に精を出していましたが、9代目の許斐久吉は逆に国内への販売へこだわりました。
そして“八女茶”の命名をし、国内での八女茶の存在を明確にした人こそが、この許斐家なのです。
そんな由緒ある許斐家はお茶だけではなく、その建物や功績も称えられています。
歴史を感じる喫茶室ではお茶とお菓子をいただくこともできます。
八女茶が歩いてきた歴史に思いを馳せながら、おいしい八女茶とお菓子をいただくのも、素敵ですね。
八女茶のおすすめ店(2)星野製茶園
2つ目にご紹介するのは、八女茶といえばここ!というほど有名な星野製茶園。
高級玉露として知られる八女ですが、その中でも、奥八女の「星野村」という場所で栽培される八女茶は別格。
八女茶の中でも、更に高級で日本一の品質を誇る産地となっています。
星野製茶園では、そんな星野村の伝統と品質を守りながらも、時代に合ったお茶を提供しようと、お茶以外にも色々な商品を売り出しています。
ほうじ茶や抹茶のオレ、粉茶、食べるお茶、チョコレートなどのお菓子から、お茶を淹れるための機械も販売しています。
気軽に、でも本格的なお茶を楽しめるお茶屋さんとして、新しい試みをしているわけですね。
また、お茶屋さんの名前にちなんだ“星”をモチーフとして、パッケージや包装もかわいらしくアレンジされています。
女性の心をがっちり掴む戦略が当たっていますが、それもお茶の品質を守り続けているからこそ。
“星”にときめいたあなた、ぜひ商品をチェックしてみてくださいね。
八女茶のおすすめ店(3)古賀製茶本舗
そして、最後3つ目にご紹介するのは、古賀製茶本舗です。
ここは、品質と味にとことんこだわり、昔から変わらない味のお茶を一途に作り出しているお茶屋さんです。
創業200年という、こちらも古くからあるお店。
歴史では最初にご紹介した許斐家に負けていません。
このお茶屋さんのすごいところは、徹底的にお茶の品質にこだわり、こだわった結果として、「コーシャー認証」を持っていることです。
これは、汚れなき安全安心な食品に与えられるハラールと同様に、ユダヤ教の聖職者によって認められる認定書です。
作り手の意気込みとプライドを感じますね。
実はここのお茶、あるテレビ番組で茶師十段(日本で13人しかいないくらいすごい資格なんですよ!)がおすすめするお茶にも選ばれているんです。
さすが、というより他ありません。
高級なので、そこまで頻繁には口にできないかもしれないですが、特別な時にはぜひ飲んでみたいお茶ですね。
では、八女茶についていろいろとお伝えしましたので、最後にまとめましょう。
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まとめ
では、最後にまとめです。
八女茶は、高級玉露で有名な茶産地。
特徴は、とても甘みが強く、かつバランスの良いお茶でしたね。
八女茶が育つ環境が玉露の栽培に向いていたため、高級茶葉としてその地位を得てきました。
八女茶を代表する3つのお茶屋ということで
九州で一番古く、八女茶の名付親である「許斐家」
新しい商品にチャレンジしている「星野製茶園」
茶師からも薦められるお茶を作っている「古賀製茶本舗」をご紹介しました。
魅力溢れる高級茶、八女茶。あなたはどんなシーンで飲みたいですか?
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