嬉野茶とは?佐賀発祥の珍しいお茶だった!

嬉野茶とは?

 

嬉野茶と聞いて、ああ佐賀県のお茶でしょ?とすぐに答えられる人は、それほど多くはいないでしょう。

 

 

嬉野茶は日本の南、佐賀県嬉野市で作られているお茶です。

 

 

実は、日本で今広まっているお茶は、日本人が中国から持ち帰って広まったものが多いですが、嬉野茶は例外です。

 

中国の陶芸職人が日本に持ってきたのが始まりとされてるんですね。

 

 

佐賀県といえば、日本で最初に貿易をスタートした長崎の隣の県。

 

きっと外国からの文化が入ってきやすかったのですね。

 

 

嬉野茶は、全国でも珍しい「釜炒り」で作る方法もあるんですよ。

 

 

ここでは、そんな嬉野茶の味の特徴や、なるほど〜と思ってしまう歴史、おすすめ嬉野茶ランキングなどをご紹介しましょう。

嬉野茶の特徴!釜炒りのお茶は全国でたった5%?

嬉野茶 特徴

 

中国から伝わってきた嬉野茶、私たちが普段飲んでいるお茶とどんな違いがあるのでしょう。

 

 

嬉野茶は、日本茶にしては珍しく「釜炒り」という製法を使っています。

 

・・・と、いきなり「釜炒り」と言われても初めての方はよく分かりませんよね?

 

 

日本茶のほぼ95%は「蒸し」によってお茶を作っています。

 

なので、その残りのわずか5%が釜炒り茶。

 

 

つまり、とても珍しい製法を使っているお茶が嬉野茶なのです。

 

 

釜炒り製法とは、中国で生まれた製法で、茶葉の発酵を止めてお茶を作る方法です。

 

 

釜炒り製法は、摘んだお茶の葉をそのまま釜に入れ、炒りながら手で揉み、乾燥させて作ります。

 

ずっと付きっきりで作るため、忍耐と根気が必要な作業となります。

 

 

釜で炒ることで、茶葉の形が、蒸し製法でよく見られる針状ではなく、丸みを持った球状となるのも特徴です。

 

嬉野茶 ぐり茶

 

その見た目から玉緑茶(たまりょくちゃ)、またはグリ茶と呼ばれることもあります。

 

伊豆にはまた違ったグリ茶があります。

 

 

さて、その釜炒り製法で作られたお茶、一体どんな味がするのでしょう?

 

 

味わいは、最初はさっぱり、後から旨味が出て深いコクを感じます。

 

そして、香りもとても高いんです。

 

 

その理由は、茶葉が丸くなっていることにあります。

 

実は、お茶を淹れる際、針状のお茶よりもゆっくり開き方がゆっくりになるため、味や香り・旨味がじっくりと時間をかけて出て来るのです。

 

 

最初はさっぱりした味わいというのは、葉が開いて味わいが出てくるのに時間がかかるからですね。

 

 

この釜炒り茶は、一回の茶葉で何回も淹れることができ、淹れる度に茶葉が開いていくので、旨味のある味わいに変わっていきます。

 

 

また、摘んですぐ釜で炒るので、茶葉の持つ青臭さは消え、爽やかで香ばしい香りがずっと続き、何度となく楽しめるお茶となっています。

 

 

お茶の色もほうじ茶に似て、少し茶色に近い薄めの黄色です。

 

嬉野茶 ぐり茶

 

釜炒り茶、味わいの変化を飲んでみたくなるお茶ですね。

 

 

しかし、この全体の5%しかない釜炒り茶の製法が生き残っているのは、嬉野の人たちの並々ならぬ努力があったからなんです。

 

 

では、そんな希少な釜炒り茶が残ってる理由を、嬉野茶の歴史を見ながら説明しましょう。

嬉野茶の歴史!陶芸職人と嬉野茶の父の関係とは?

嬉野茶 歴史

 

嬉野茶は長崎県から入ってきたと最初に書きましたね。

 

では、蒸し製法が基本の日本で、どうやって釜炒り製法が嬉野まで広がっていったのでしょうか?

 

 

嬉野茶の歴史は長く、室町時代に中国(当時は明)から日本にやってきた陶芸職人がもたらしたと言われています。

 

 

自宅用の茶葉を栽培していた陶芸職人は、中国から南京釜を持ち込んでおり、その茶葉を自分で南京釜で炒っていたそうです。

 

 

その製法が、周囲の人々に広まっていったのです。

 

 

そして17世紀半ば、嬉野茶の父と呼ばれる吉村新兵衛が現れます。

 

彼は、嬉野町の山林を開拓して茶葉の栽培に力を入れ、また釜炒り茶の作り方も改良し、嬉野茶の基礎を築いたのです。

 

 

この吉村新兵衛が育てた茶葉は現存しており、なんと樹齢360年を数えます。

 

 

茶葉でこんなに長く生きられる樹があるのですね。

 

今は天然記念物に指定され、近くに石碑も建っています。

 

 

嬉野は盆地でもあり、気温の高低差が大きいこと、盆地に流れる清らかな水、澄んだ空気が茶葉の持つ旨味を豊かなものにしています。

 

嬉野茶 歴史

 

また、4月になるとこの嬉野の山林の朝は霧が発生し、この水分が新芽にはとても良いとされています。

 

 

こうやって広まった嬉野茶は、長崎の出島からオランダに輸出されていきます。

 

 

オランダに伝わった嬉野茶は評判が良く、19世紀半ばにはイギリスから大量の注文を受けるまでになるのです。

 

 

こうして嬉野茶の生産はどんどん増えていきましたが、釜炒り製法では限界がありました。

 

 

なぜなら、釜炒りでは、釜に入る量しか一回に作れませんし、手揉み作業も発生するので、なかなか大量に生産するということができなかったからです。

 

 

その点、蒸し製法は一気に熱が入れられればいいので、大きさはどんなものでも大丈夫。

 

一回に作れるお茶の量で、今後の運命が左右されてしまったのです。

 

 

そんな理由から、蒸し製法が世の中の主流になっていくと、嬉野茶の注文は減ってしまいましたが、残り5%でも釜炒り製法のお茶を伝えようと、頑張っています。

 

 

生産者が保存会を作ったり、嬉野茶の展示や茶摘み体験ができる交流館ができたりと、釜炒り製法の嬉野茶の伝統を守る努力がされています。

 

 

これまで約550年に渡って続いてきた嬉野茶、なくさないために、私たちも嬉野茶の魅力を知っておきたいですね。

 

 

では、そんな希少な嬉野茶のおすすめをランキング形式でご紹介しましょう。

嬉野茶のおすすめは?ランキング3〜1位までをご紹介します!

嬉野茶 おすすめランキング

 

今回は、「嬉野茶時」という嬉野の伝統を守りながら、その魅力を伝えているお店の嬉野茶ランキングからご紹介します。

 

まず第3位から!

 

 

第3位は、煎茶「藤」です。(池田農園さん)

 

 

藤という名前は、藤の花が咲くころに摘んだお茶の葉を使っているからだそう。

 

 

甘みを強く感じるお茶で、茶葉は鮮やかな緑色、お茶の色も深い新緑のような、深みと透明さを合わせ持った鮮やかな色をしています。

 

 

第2位は・・・

 

 

釜炒り茶「伝」です!(こちらも池田農園さん)

 

 

伝は、これまでご紹介してきた釜炒り製法で作られた嬉野茶です。

 

 

ただし、釜炒りで作られてはいますが、ほうじ茶のように茶葉が茶色くなることはありません。

 

 

見た目は丸っぽい感じですが、茶葉自体は他の煎茶や玉露と同じように、濃い緑色をしています。

 

 

普通は、淹れるとほうじ茶よりの黄色みがかったお茶色となりますが、ここの釜炒り茶はどちらかというと黄金色に近い色をしています。

 

 

香りは香ばしくもすっきりとしていて、味わいも渋さが少なく、すっきりとした味となっています。

 

そして、堂々の第1位は?・・・

 

嬉野茶 おすすめランキング

 

第1位は、煎茶です!(嬉野茶寮さん)

 

 

これは嬉野のオリジナル商品で、嬉野の若手のお茶農家が、その魅力を発信するために集まり、考えだした商品。

 

 

お茶農家7人が、それぞれの茶園の自信作を持ち寄りブレンドしたお茶なのです。

 

 

煎茶としては、甘みが強いお茶で、お茶の色も鮮やかな緑色をしています。

 

 

お茶を味わうのはもちろんのこと、この若手衆が嬉野のために、という思いで作ったお茶、その心意気も感じながら味わってみたい一品ですね。

 

ランキング1位になるのも、確かにうなずけます。

 

 

ざっとランキングの3〜1位をご紹介しましたが、あなたのお好みの嬉野茶はありましたか?

 

 

 

では、嬉野茶についていろいろとお伝えしましたので最後にまとめましょう。

 

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まとめ

では、最後にまとめです。

 

 

嬉野茶は、日本では珍しい釜炒り製法で作られていました。

 

そのため、味わいや香りが淹れる度に変わる、何度でも楽しめる楽しいお茶です。

 

 

おすすめのお茶ランキングは、

 

3位が、煎茶
2位が、釜炒り茶

 

そして1位は、嬉野若手茶園のオリジナルの煎茶でした。

 

 

嬉野は、他にも温泉や陶芸・磁器も有名です。

 

 

温泉に入って、お気に入りの器を見つけて、珍しい釜炒り茶で過ごす嬉野というのも、特別な感じがしますね。

 

 

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