ぐり茶とは?

ぐり茶とは?

 

ぐり茶という日本茶をご存知でしょうか?

 

 

もしかすると「伊豆のお土産にぐり茶を買った」なんて方はいるかも知れません。

 

 

「ぐり茶」という名前は、かなり特徴的ですよね。

 

なので、このお茶の名前はすぐに覚えた!という方もいらっしゃることでしょう。

 

 

ところで、ぐり茶ってどんなお茶なのでしょうか?

 

名前の由来は?味の特徴は?などなど気になることが多いお茶ですよね。

 

 

そこで、今回はそんな「ぐり茶」について、詳しくお伝えします。

ぐり茶の特徴!名前の由来は?

まずは、「ぐり茶」という名前の由来からご説明しましょう。

 

 

実は、ぐり茶の正式名称は「玉緑茶(たまりょくちゃ)」と言います。

 

玉の緑茶というだけあって、文字通り茶葉が勾玉(まがたま)のような形になるように作られたお茶なんです。

 

 

ちなみに、これが「ぐり茶」です。
↓ ↓
ぐり茶
【ぐり茶の茶葉】

 

勾玉って「グリッとした目」みたいに丸まってますよね。

 

 

そんな勾玉のようにグリグリ巻いてるお茶。

 

だから「ぐり茶」と呼ばれるようになったと言われています。

 

 

ぐり茶は、現在、九州の中北部と静岡県の伊豆地方でしか生産されていません。

 

ただ、伊豆のお土産としては、全国に名をとどろかせているお茶なんですよ。

 

だから、伊豆や熱海へ行ってぐり茶を買ったことがある方はとても多いと思います。

 

 

ところで、なぜ「ぐり茶」ってこんなに茶葉がグリグリ巻いてるのでしょうか?

 

ぐり茶と煎茶の違い!製法が違うの?

ぐり茶がグリグリ巻いてるのは、製法が煎茶などの他のお茶とは違うためです。

 

 

煎茶の場合、生茶を蒸した後に茶葉を揉んで仕上げる精揉(せいじゅう)という工程が入ります。

 

 

茶揉みはテレビ等で見たことがあると思いますが、今はそれを機械で行うわけです。

 

 

だから煎茶は針金のように細長くて、真っすぐなお茶になるんですね。

 

こんな感じです。
↓ ↓
煎茶
【煎茶の茶葉】

 

ところが、ぐり茶にはこの「揉んで仕上げる」という工程が入りません。

 

 

長めに蒸した生茶をドラム式の乾燥機の中に入れて、グルグル回しながら熱風を送ってそのまま乾燥させます。

 

 

この乾燥のやり方を「再乾(さいかん)」と言います。

 

 

「ぐり茶は茶葉を揉まずにドラムの遠心力で仕上げる」

 

だから、自然にグリッと巻いた茶葉が出来上がるわけです。

 

 

ところで、ぐり茶は、なぜ煎茶のように揉んで仕上げることをしないのでしょうか?

 

実は、それにはある理由が存在していたんですね。

 

 

ぐり茶は輸出用のお茶だった?

 

元々ぐり茶(玉緑茶)は、1930年代に輸出用のお茶として作られたものです。

 

輸出先は、今でいうロシア、旧ソビエト連邦でした。

 

 

当時のソ連では、中国茶が主流だったんですね。

 

中国茶は、釜を回して茶葉を乾燥させるのでグルグル巻いたお茶になります。

 

 

そんなグルグル巻いた中国茶に慣れたソ連の人たちから、日本茶を受けれてもらうために、ぐり茶の製法は生まれたわけです。

 

 

ほど良い甘さと香りを持っている美味しい日本茶(ぐり茶)は、すぐにソ連でも大人気となりました。

 

そして、その後、ぐり茶は北アフリカやアジアへ向けてどんどん輸出されていきます。

 

 

ところが、第二次世界大戦の影響を受けるようになって、この輸出はストップせざるを得なくなったんですね。

 

その後、残念なことに、ぐり茶の輸出は衰退していくこととなりました。

 

ところが・・・

 

 

ぐり茶はとても味が良いということから、日本国内で評価が高まったのです。

 

今では、静岡県の伊豆や熱海の名物として、全国に名をとどろかせるほどの銘茶となりました。

 

伊豆のお土産に「ぐり茶」と言われるのは、そのためなんですね。

 

 

ところで、海外でも日本でもそれほどまで大人気となった「ぐり茶の味」って、かなり気になりませんか?

ぐり茶の味の特徴!煎茶とは違うの?

ぐり茶 味

 

ぐり茶の味の特徴なんて言うと、特殊なお茶をイメージされる方がいるかも知れませんね。

 

ただ、お茶としては、いわゆる「やぶきた」のような定番のチャノキから採れる、れっきとした日本茶です。

 

 

「じゃあ、ぐり茶と煎茶ってどこが違うの?」

 

って思われますよね。

 

 

それは、前述したように「茶葉を揉むか?揉まないか?」ということが一番大きなポイントです。

 

 

要するに、味の違いはチャノキの違いではなく、製法の違いにあるわけです。

 

 

煎茶の場合、揉まれることによってタンニンが増えてお茶の「渋み」が出ます。

 

ところが「ぐり茶」の場合は、その工程がないため「渋み」が抑えられるのです。

 

 

また、煎茶は揉むという工程を入れることによって茶葉に傷が入りやすくなります。

 

 

しかしぐり茶は、ドラムを回す遠心力によって製茶するため傷がつきづらい。

 

だから、お茶の成分が浸出しやすく、深みのある味わいになるのです。

 

 

ぐり茶が、味わいも甘みがあってまろやか、渋みも少ない美味しいお茶に仕上がると言われるのはそのためです。

 

 

では、最後に、そんなぐり茶の美味しい入れ方をご紹介したいと思います。

ぐり茶の入れ方!美味しく入れるには?

ぐり茶 入れ方

 

ぐり茶を美味しく入れるためには、ちょっとしたコツを知っておくと良いです。

 

それでは、入れ方の手順を説明します。

 

ぐり茶の入れ方〜3〜4人分

 

 

お湯を沸かす

 

まず、お湯を沸かして沸騰させます。

 

その際、水道水をそのまま使うのではなく、浄水器の水かミネラルウォーターを使いましょう。

 

水道水を沸騰させれば、ある程度のカルキ臭さは飛びます。

 

しかし、より美味しく味わいたいのであれば、塩素などがキチンと除去された水を使うことをおすすめします。

 

 

お湯を少し冷まします

 

沸騰したお湯を冷ますために、まずは、それぞれの湯呑にお湯を入れます。

 

ぐり茶を美味しく入れるためには、お湯の温度を低めにすることが大切です。

 

そのため、湯呑に入れたままの状態で1分ほど待ちましょう。

 

 

急須に茶葉を入れます

 

続いて、急須にぐり茶の茶葉を入れましょう。

 

茶葉の量はお好みの部分もありますが、だいたい6〜9gほどが良いと思います。

 

何度か入れてみて、自分好みの濃さを見つけてくださいね。

 

 

冷ましたお湯を急須に注ぎます

 

湯呑に入れて冷ましておいたお湯を、急須に注ぎます。

 

お湯の温度は、だいたい60〜70℃の間くらいが良いでしょう。

 

湯温は季節によっても変わってきます。

 

なので、寒い冬などは冷ます時間を少し短めにすると良いです。

 

 

30秒〜1分ほど待ちます

 

急須の蓋をして、30秒から1分ほどそのままの状態にします。

 

茶葉が広がって、ぐり茶のエキスがゆっくりと浸出する時間です。

 

注ぐ直前には、ぐり茶の成分が溶けだしやすいように円を描きながら、ゆっくりと急須を振ってください。

 

 

湯呑に注ぎます

 

湯呑に均等に注ぎ分けましょう。

 

濃さが偏らないように、少しずつ注ぎ分けてください。

 

最後の一滴まで注ぎ切るということを忘れずに。

 

 

いかがでしょうか?

 

ぜひ、甘くて深みのある「ぐり茶」の味わいを心ゆくまで楽しんでください。

 

 

 

では、ぐり茶についていろいろとお伝えしましたので、最後にまとめましょう。

 

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まとめ

今回は、ぐり茶の味や特徴、入れ方等についてお伝えしました。

 

 

ぐり茶は、勾玉みたいにグリグリ巻いてるため「ぐり茶」と呼ばれます。

 

静岡県の伊豆や熱海の名物です。

 

 

ぐり茶と煎茶の違いは、製法の違い。

 

味は、渋みが少ないまろやかなお茶になります。

 

 

ぐり茶を美味しく入れて、ステキな緑茶タイムをお過ごしください。

 

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