玉露ってどんなお茶?やはり高級なの?
日本茶の種類の中の一つ「玉露」とは、一体どんなお茶なのでしょうか?
玉露と言えば、最高級茶の代名詞のような存在として知られていますね。
小説や漫画などにも良く登場しますよね。
実は、玉露は、普通煎茶と同様の製法です。
ところが、素材となる茶葉の栽培方法が特殊なため、独特な旨味と甘みを持っています。
それでは、高級茶の代名詞「玉露」についてご説明して行きましょう。
玉露の特徴とは?
最高級茶の代名詞「玉露」は、なぜ普通煎茶と製造工程が同じなのに高級なのでしょうか?
その違いは、茶葉の生産方法にあります。
通常、日本茶は太陽の光をたっぷり浴びて成長するのが一般的ですよね。
ところが玉露は、被覆栽培〜覆い下栽培(おおいしたさいばい)〜という特殊な栽培方法で生産されています。
この製法は、太陽の光を当てずに生育した「新芽」を摘み取る方法です。
もちろん、植物にとって太陽光はとても重要ですから、まったく日光を浴びずに育てるわけではありません。
玉露の製法は、茶摘みの始まる20日以上前に直射日光を遮り、茶葉のうまみ成分の一つテアニンが、カテキンへ変化するのを抑制するのです。
その結果、玉露独特のトロリとした甘みを引き出しているわけですね。
玉露とかぶせ茶の違いって、どこにあるの?
玉露といえば、よく「かぶせ茶」と間違えられることがあります。
その理由は、かぶせ茶の栽培方法にあると言えるでしょう。
玉露の場合、摘採される20日以上前に日光を遮断し、テアニンの量を増加させることは前述しましたね。
かぶせ茶は、摘採される7〜10日という短い間の日光を遮断するため、玉露と煎茶のちょうど中間にあたる味わいとなるのです。
また、玉露とかぶせ茶では日光を遮断するための「道具」も異なります。
玉露の場合、「よしず棚」や「すだれ」、「わら」などを用いて茶園を覆い隠します。
一方、かぶせ茶の場合は、茶樹に直接「黒い覆い」をして日光を遮断します。
ここで、玉露とかぶせ茶の特徴をそれぞれ比較してみましょう。
玉露
煎茶は、5月頃から摘採が始まりますが、玉露は「新芽」が出る20日以上前に日光を遮断します。
その際、わらやよしずなどを用い、日光を覆い隠すわけです。
玉露の茶樹は、煎茶と同じ樹木のため、栽培方法以外は基本的には同じです。
煎茶はスッキリとした爽やかな香りと味わいを持つ日本茶ですが、玉露はトロリとした甘みと旨味を持っています。
さらに、玉露は、香りや味わいがお湯の温度に大きく左右されるため、おいしく嗜むためには細心の注意が必要です。
かぶせ茶
かぶせ茶は別名「冠茶」と呼ばれており、日本茶の中ではやや認知度の低いお茶の1つです。
かぶせ茶は、摘採の7日〜10日前に日光を遮断するため、「煎茶」の爽快な香りと渋み、玉露の旨味を併せ持った絶妙な味わいの日本茶となります。
かぶせ茶の魅力は、淹れるお湯の温度によって「玉露」のようなトロリとした味わいになったり、「煎茶」のようなスッキリ爽快なお茶になったり、変幻自在なところです。