煎茶道と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
煎茶道と聞いて、あなたは何を感じますか?
「茶道といえば抹茶でしょ?煎茶の茶道もあるの?」
多くの人がそう感じるのではないでしょうか。
かくいう私もその一人だったんですよね。
学生のころ、茶道の先生が学校に来てくれて、お抹茶を飲んだ記憶があり、「茶道=抹茶」と思っていました。
ところが、煎茶道って、実はとても伝統のある茶道なのです!
今回は、煎茶道とは何か?
また、煎茶道に必要な道具や作法・お点前、流派や教室の選び方についてお話しします。
煎茶道とは?抹茶の茶道とはちがうの?
まず、煎茶道と抹茶の茶道(抹茶道)は全く別物ということを知っておいてください。
- 煎茶道
- 抹茶道
茶道には、この二種類があるのです。
最初に完成したのは、抹茶道で、安土桃山時代と言われています。
抹茶の粉をお湯で溶かし、茶筅で点てて飲む形式の茶道で、一般の方でもイメージもしやすいことでしょう。
煎茶道は、江戸時代に確立した茶道と伝えられていて、大きな特徴は「お茶の淹れ方」にあります。
茶葉は、煎茶以外にも玉露・番茶・ほうじ茶などを使用します。
これらを急須で淹れ、お菓子と一緒に味わうという形式が「煎茶道」です。
また、煎茶道には、数多くの流派があることも特徴の一つなんですね。
煎茶道って、抹茶道とは違った、確立された別の茶道ということがお分かりいただけましたか?
急須でお茶を淹れる形式なら身近なイメージがあるので、煎茶道を始めてみたいと思った方もいらっしゃることでしょう。
ただ、やはり「煎茶の道」と書く煎茶道なので、それなりに道具は揃えた方が良いです。
ということで、次は、煎茶道の道具についてお伝えしましょう。
煎茶道の道具!必要なものはナニ?
「煎茶道の道具といっても、煎茶を急須で淹れるなら、湯呑があればいいのでは?」
なんて聞こえてきそうですが、煎茶道の道具はとても奥深いことをご存知でしょうか。
煎茶道では、淹れるお茶や流派によって道具の種類も名称も変わってくるのです。
ここでは、代表的な道具をあげていきますね。
煎茶を淹れるわけですから急須は不可欠な道具と言えるでしょう。
ただし、お茶の種類によって、急須の形も様々あるということは覚えておくと良いです。
言うまでもなく茶碗も不可欠な道具の一つですよね。
煎茶道では、湯呑より小ぶりで蓋つきのものが多く使われます。
茶托とは、茶碗の下に敷くお皿のことを指します。
日本茶のおもてなしを受けた時には、よく見ますよね。
湯冷ましは、文字通り、沸かしたお湯を冷まして適温にするための器です。
煎茶や玉露など、お茶によっては、お湯の適温が変わりますので、湯冷ましを使って上手に冷ましましょう。
お茶の道具一式をまとめて入れるための「蓋つきの容器」です。
旅館などで見かけたことがあるのではないでしょうか。
さて、煎茶道の道具の一部を紹介しましたが、他にも数多くの道具があります。
また、同じ道具でも流派によって名称が変わることもあるので注意が必要です。
煎茶道は、茶葉を使って急須淹れるため、家で淹れるイメージに近いかもしれませんが、とても歴史の古い立派な茶道です。
美味しいお茶をおもてなしするために、数多くの道具が必要ということからもわかってもらえると思います。
ところで、そんなおもてなしを受けた際、正しい作法でお茶をいただかなければ失礼かも・・・と思いますよね。
「え!正しい作法だなんて難しそう・・・」という声が聞こえて来るかも知れません。
ご安心ください。そんなに難しく考える必要はありません。
続いて、煎茶道の作法について、カンタンにお伝えしましょう。
煎茶道の作法とは?ポイントは5つ!
煎茶道の作法で一番重要なのは「手を付ける順番」です。
抹茶道と同じように、煎茶道もお茶と一緒にお菓子が出されます。
出される順番としてはお菓子→お茶の順です。
ここで注意ですが、最初にお菓子に手を付けてはいけません。
一煎目のお茶を飲み終えるまでお菓子に手を付けないことが煎茶道の大事な作法です。
「一煎目のお茶を飲む→お菓子をいただく→二煎目のお茶を飲む」
色々な流派がありますが、この点は共通しています。
先にお菓子をいただく抹茶道の作法と大きく違うので気を付けてくださいね。
お茶を飲む際の細かい作法は、流派によって変わるので、今回はそのうちの一つを紹介します。
手を付ける前に「いただきます」「頂戴いたします」などを相手に伝えましょう。
利き手で茶碗の蓋を持ち、茶碗にしずくを落としながらあけてください。
この時、反対の手は茶碗に添えましょう。
蓋を両手で持ち、裏返しにして茶托の右奥に置きます。
利き手で茶碗を持ち、反対の手の上にのせて飲みましょう。
飲み終わったら両手で蓋を持ち茶碗に戻してください。
この時に「ごちそうさまでした」などの挨拶を交わすと良いでしょう。
お茶会やビジネスの場でお茶を飲む際は、この作法で大きな失礼はないです。
逆に、このような作法をキチンを行うと「できる人」に見られる可能性が高いので、そういう意味でも知っておいて損はないでしょう。
ところで、逆にお茶をふるまう側の作法…お点前について気になる方も多いと思います。
そこで、これから、お点前についてカンタンに説明したいと思いますが、詳しく知るには教室に通うことが一番です。
でも、教室で習うと「お許し料」が必要って聞いたことがある人もいるかもしれません。
そこで、今回はお許し料のことも含めて、煎茶道のお点前についてお話します。
煎茶道のお点前!お許し料ってなあに?いくらかかるの?
煎茶道のお点前も、流派やお茶の種類によって数十種類あると聞きます。
なので、今回はお茶会などでふるまわれることが多いと言われる、玉露の淹れ方のお点前の一つを紹介しましょう。
手順に沿ってやってみてください。
まず、お湯の温度は容器に移すだけで下がってしまうので、事前に急須と茶碗にお湯を注いで温めます。
玉露は低めの温度で淹れるのがポイントなので、適温になるまで「湯冷まし」で冷まします。
茶葉を急須に入れ、湯冷ましのお湯を注ぎます。
茶葉が開いてくるのを待ち、濃さが均等になるように茶碗に注いでください。
さて、カンタンにお点前について説明しましたが、いかがでしたか?
今回ご説明した流れは、教室へ行くと詳しく教えてもらえます。
ただ、ここで気になるのは「お許し料」かと思います。
一般的に教室では、習熟度によって次の段階へ行けるかが決まります。
お許し料とは、次の段階へ行くための申請で支払う代金のことなのです。
絶対にお許し料が必要なのか?いくらなのか?
というのは気になりますが、表に出ていない情報となり、流派や先生によって変わるそうです。
習熟度によっては値段も1万円以上になる教室もあるようなので、一度先生に相談すると良いでしょう。
- 「いざ教室へ行きたくても、流派が多くてどれがいいか分からない。」
- 「教室ってどうやって探せばいいの?」
そう思ったあなたへ、最後に流派と教室の選び方についてお話ししますね。
煎茶道の流派や教室の選び方は?
繰り返しになりますが、煎茶道の流派はたくさんあります。
煎茶道の普及のために結成された団体「全日本煎茶道連盟」に加盟している流派だけでも、30以上あります。
さらに非加盟の流派も、全国に多数あるそうです。
では、多くの流派がひしめく中で、私たちはどのように流派を選び、教室を探せば良いのでしょうか?
まずは、全日本煎茶道連盟に加入している流派から探してみる方法が良いかと思います。
なぜなら、連盟に加盟している流派は「有力流派」と呼ばれるところが多いからです。
連盟のホームページに加盟流派がまとまっていて、中にはホームページを持っているところもあります。
それぞれのホームページを確認して興味を持った流派の教室に行くと良いでしょう。
教室について詳しく記載している流派もたくさんあるので、ぜひ確認してみてくださいね。
では、煎茶道について、最後にまとめましょう。
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煎茶道〜まとめ
今回は、煎茶道についてお伝えしました。
煎茶道は、急須で淹れた煎茶などを楽しむタイプの茶道です。
必要な道具は、急須の他にも湯冷ましなど、数多くあります。
煎茶道の作法は「お茶を飲んでからお菓子をいただく」ことが大切です。
お点前は、お茶の種類でも変わってきます。
お許し料は決められたものはなく、教室で直接相談するのが良いです。
煎茶道の流派は数多いですが、「全日本煎茶道連盟」に加盟しているところを参考に教室を選ぶと良いでしょう。
煎茶道を通して日本の美しい所作を学び、改めて和の心を感じてみるのはおススメです。
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