茶筅とは?

茶筅とは

 

茶道で抹茶を点てているシーンを一度は見たことがあると思います。

 

 

あの抹茶をシュワッシュワッとを点てている道具をなんというか知っていますか?

 

茶筅(ちゃせん)って聞いたことありますよね。

 

ところで、茶筅は何でできているかについては、あまりご存知の方はいないと思います。

 

 

茶筅にはどんな種類があって、何を基準に選べばいいか?

 

また、買った後のお手入れ方法、などなど、知らないことがたくさんありますね!

 

 

今回は、普段あまり日の目を見ない?茶筅にスポットを当てて、詳しく見ていきましょう。

茶筅の選び方!茶筅に種類があるの?

茶筅の選び方

 

茶筅は、何を基準に選んだらいいのでしょうか。

 

では、どれくらい茶筅の種類があるのかを知ってから、選び方を見て行きましょう。

 

 

まずは、茶筅が何からできているか、わかりますか?

 

茶筅が手元にない人もいるかも知れませんが、よく見てみると、持つところに節があるのが見えます。

 

そうなんですです。

 

茶筅は竹からできています。

 

竹の節を使って持つところを作り、その先を削って、何十本もの細かい部分を作ります。

 

あの細さにそろえて削るって、素晴らしい技術ですね!

 

茶筅の選び方 職人

 

その削る本数ですが、全部一緒ではないんです。

 

72本、約80本、100本、120本など、実は何種類かあるんですよ。

 

 

80本前後のものは、「八十本立」、百本のものは「百本立」とわかりやすいですね。

 

72本のものだけは、「数穂立」と呼ばれています。

 

 

こんなに本数が違う種類があるんですね〜。

 

では、本数によって、何が変わるのでしょう?

 

それは、お茶の点てやすさです。

 

 

例えば。

 

寒くなってきたし、温かいココアが飲みたいなぁ。

 

バンホーテンのおいしいココアの粉に、お湯を注いで・・・・

 

マドラー1本でかき混ぜるのと、小型泡立て器でかき混ぜるのと、どちらがしっかり混ざるとでしょう?

 

 

泡立て器の方がしっかり混ざってますよね!

 

1本より、数が多いほうがよく混ざります。

 

72本よりは80本、80本よりは100本の方が、よく混ざり、きめの細かい口当たりの良いお茶を点てることができます。

 

 

特に、薄茶を点てる時は、しっかり泡立てて、クリーミーな泡ができるくらいがちょうどいいので、本数が多めの茶筅がおすすめです。

 

茶筅の選び方

 

濃茶を点てる時は、逆に練るという作業になるので、あまり本数が多くないほうがおすすめですね。

 

 

ところで、いざ茶筅を買おうとすると、価格に結構な幅があることに気づくと思います。

 

安いのはどこ産??と見ると、ここでも中国産が勢力を伸ばしてきています。

 

中国産の中にも割といいものがあったりはするのですが、日本産の茶筅と比べると、少し固めで、形が崩れやすいものが多いようです。

 

 

しっかり混ぜるには固いほうがいいなじゃないの?と思うかもしれませんが、ただ固いだけではダメなんです。

 

茶筅には、程よい固さとしなやかさが必要なんです!

 

 

実際やってみていただくとわかると思いますが、固いと茶椀の底を擦っているだけで、あまり点てているという感じが出ません。

 

そこに少しの柔らかさとしなやかさが加わると、お湯と抹茶が一体となって混ざり、クリーミーさが出てくるのがわかります。

 

 

特に、薄茶の場合(私が裏千家で習っているので、裏千家について書きますが)、表面に泡の層を作るので、この時の泡の感じできめ細やかさがわかってしまいます。

 

 

カフェラテなども、きめ細やか泡だとラテアートなどきれいに描けますが、泡が大きかったりぶつぶつしていたら、きれいな絵が描けないですよね。

 

茶筅の選び方

 

それと一緒です。

 

中国と日本、竹本来の素質も違うのかもしれませんが、作り方の丁寧さなども影響してくるのでしょうか。

 

もちろん、中国産でも安くてよいのはありますし、自分の手にフィットし、使いやすいと思えるものを使うのが一番です。

 

竹そのものの太さも、作っているところで違ったりするんですよ。

 

 

茶筅はそもそも消耗品なので、数打ちゃ当たる!精神で色々試してみてくださいね。

 

さて、茶筅についての知識を仕入れたところで、次はどうやって使うかを見ていきましょう。

茶筅の使い方!茶筅通しって何?

茶筅の使い方

 

茶筅の使い方って迷いませんか?

 

どうやって使うのか、よくわからないという方に、細かくお伝えしますね。

 

 

茶筅はお茶を点てると最初に書きましたが、茶道の一連の流れの中では、他にも出番があります。

 

茶筅通し(ちゃせんどおし)と言います。

 

 

お客様にお茶をお出しする時、お茶を点てるお点前(おてまえ)さんは、お客様の前でお茶椀や茶筅をきれいに清める作業を行います。

 

 

もちろん、事前にきれいには洗っていますが、お客様が安心して飲めるように、再度、お客様の前で清める作業を行います。

 

茶筅通しは、茶筅をきれいにしますよ、という動作のことを言います。

 

 

一連の流れとしては、お茶がはいっているお棗(おなつめ)、お茶杓(おちゃしゃく)を清め、その後にお茶椀を使って茶筅通しを行います。

 

 

まず、柄杓でお湯を半分ほど掬い、お茶椀に入れます。

 

茶筅を取り、お茶椀に入れるのですが、茶筅は常に正面を向いている必要があります。

 

茶筅の使い方 茶筅通し

 

茶筅に正面なんてあるの??

 

と思うかもしれませんが、茶筅をよく見てみましょう。

 

 

手で持つところに、黒い紐が回してあって、結び目(2本垂れているところ)がありますね?

 

そう、ここが茶筅の正面なんです。

 

茶筅を持つ時、置く時などは基本この正面が見えるようにして、さらに親指で持つようにします。

 

茶筅の正面

 

 

お茶椀に入れる時も、親指で正面を持ち、右に傾けながら静かにお茶椀に置きます。

 

親指を上にして茶筅を横から掴みます。(この時は正面は気にしなくていいです。)

 

 

そして、茶筅の先に、前回使ったお抹茶がついてないかな、はたまたゴミなどがついてないかなと、しっかり見るつもりで、目の近くまでそのまますっと上げます。

 

 

この時、近すぎると近眼の人みたくなってしまうので、あくまでも距離は目から20センチくらいを目途にしてくださいね。笑。

 

 

目の高さにあげて一呼吸したら、親指を手前から斜め下に回転させながら、お茶椀に戻します。

 

これと同じ動作を全部で3回行います。

 

 

そして、3回目にお茶椀に戻したときに、茶筅の正面が上に戻っていることが大事です!

 

1回目下に戻すときに、斜め下に回転させながら、と書いたのは適当にではなく、細かく言うと、360度を3回に分けるので、1回120度ずつ回す必要があるということです。

 

 

でも、まさか120度ずつ計りながらやるわけにはいかないので。笑。

 

3回目にうまく上に向くように、適当に調整します。

 

 

3回目が終わって、正面が上に向いた茶筅を、再度親指を上にして上から持ち、茶椀に”の”の字を書くようにくるりと回したら、すっと茶椀から上げて、元あった位置に戻します。

 

 

これが一連の茶筅通しです。

 

 

これで茶筅はきれいになり、かつ茶椀もお湯で温められ、お客様にお茶を点てる準備が整ったことになります。

 

さて、茶筅の使い方はわかりましたね!

 

 

では、次は茶筅のお手入れ方法についてです。

 

正しく保管するにはどうしたらいいのでしょうか?

茶筅の手入れ!カビが生えるって本当?

茶筅の手入れ

 

茶筅の保管方法?そのまま置いておけばいいんじゃないの?と思ったあなた。

 

 

ダメです!!

 

茶筅だってちゃんと手入れしてあげないと、長く使うことができません!

 

そのためには、まず竹の特徴を含めて、手入れ方法を見ていきましょう。

 

 

竹はそのままだととても固いですよね。

 

水などにつけておくとしんなりしてやわらかくなります。

 

 

お茶を点てる時は、結構な力で茶椀に擦りながらお茶を点てるので、固いままいきなりお茶を点てると、竹は準備ができていなくてびっくりしてしまいます。

 

茶筅の手入れ

 

人間も、寝起きにいきなりハードな体操をすると、体を痛めますよね。

 

準備運動などで体を温めてから、マラソンやハードな運動に掛かりますね。

 

 

それと一緒で、茶筅も使う前はしっかり水につけて軟らかくしてあげます。

 

使った後は、抹茶が茶筅に残らないようしっかり手先を使ってお茶を落とします。

 

 

特に濃茶を練った時は、しっかり落としてあげないと、緑色が残ったままになってしまいます。

 

お茶はしっかり色が残ってしまうので、水屋(お点前さんの控え室、お茶を点てる準備や後片付けをする部屋)でなるべく早めにきれいにしてあげましょう。

 

 

きれいになったら、しっかり乾かします!

 

ちょっとタオルで拭き取ったくらいではダメです。

 

だって、お茶を点てる前に、お水にしっかりつけて、水を吸わせてやわらかくしましたよね?

 

その分、しっかり乾かしてあげないと、水分が中のほうに残っていて、そのまま箱や棚にしまってしまったら、最悪カビが生えてしまうこともあります。

 

 

もし、すぐにしまってしまい、茶筅に黒いものを見つけたら・・・

 

カビ発生です。

 

 

絶対に使えないわけではないですが、体にいいものではないので、使い続けることはあまりお勧めできません。涙。

 

なので、しっかり乾かす!と肝に銘じましょう。

 

 

そして、何度も使っていくと、最初きれいに広がっていた穂先が、どんどんしぼんできます。

 

これは外からの圧力、お茶を点てる時に使う力が加わると内側に入っていってしまうからです。

 

 

そんな時のために「茶筅直し」という便利なものが世の中にはあります。

 

なので、乾かす際に、これに茶筅をはめて乾かすと、いつまでもきれいに広がった穂先を守ることができます。

 

 

買うのが難しかったり、忘れてしまった場合は、緊急対策?として、内側から手を入れて広げる方法もあるにはあります。

 

これも、ちゃんと茶筅がやわらかくなった段階でやってくださいね。

 

いきなりやると、ポキンと折れてしまうことがあるかもしれませんので。

 

 

茶筅の使用頻度にもよりますが、穂先の先の方が割れるのが増えてきたり、内側に入ってシュンとしてしまったものは、できればさようならしてください。

 

お客様においしいお茶を点ててあげるには、ちゃんとして道具を使うことも大事なことですから。

 

 

ところで、茶筅って、お試しで買うのには高いな・・・茶筅って、何か他に代用できないの?と考えているあなた!

 

ちょっとだけ知恵を絞ってみましょう!笑。

茶筅の代用になるものはないの?

茶筅の代用品

 

茶筅の代わりになるもの・・・マドラー?泡だて器?

 

マドラーではきれいな泡が立たない気がするし、泡だて器って、小さいのならまだ何とかなるかもしれないけど、大きいのだと茶椀に入らないし・・・。

 

他になにが???

 

茶筅を思い出してみましょう。

 

あれ、竹串を何本か使って同じような形にしたらダメ??

 

と思ったのは私だけじゃないはず!

 

何本かまとめただけだとマドラーとあまり変わらないけど、上の方でゴムでしっかりまとめて、茶筅みたいにねじって広げたら??

 

マドラーか泡立て器より、少しはましな即席茶筅代わり!

 

後は根気でしっかり泡立ててみましょう!

 

今は百均でも茶筅が手に入るようなので、あまり無理はせず、せっかくなら茶筅でおいしいお茶を点ててみてくださいね。

 

 

 

では、茶筅についていろいろとお伝えしましたので最後にまとめましょう。

 

関連記事

茶筅〜まとめ

では、まとめです。

 

茶筅の選び方や使い方、手入れの方法についてお伝えしました。

 

 

茶筅の選び方は、本数が多い方が薄茶向き、少ないのは濃茶向き。

 

中国産より日本産の方がしなやかでおすすめ!

 

 

茶筅通しや、使い方についてもお伝えしましたね。

 

 

茶筅の手入れは、使う前はしっかり濡らす、使った後はしっかり乾かすこと。

 

 

茶筅の代用としては、マドラー、泡立て器、オリジナル竹串茶筅(笑)が挙げられるでしょうか。

 

茶筅は見ているだけではわからないので、自分で試して使いやすい!と思ったものを選んでくださいね。

 

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