碾茶の飲み方を知っていますか?
碾茶の飲み方を知っていますか?
・・・という質問の前に、まず碾茶(てんちゃ)って分からない?(笑)
たくさんある日本茶の一種類である碾茶。
実は、碾茶とは、抹茶に加工されることが多くて、香りや味わいがとても強いお茶です。
ただし、お茶の種類で聞いたことはあっても、碾茶についてきちんとわかっている人は少ないように思います。
今回は、碾茶の入れ方や飲み方、玉露や抹茶との違いについて詳しく見ていきましょう。
碾茶とは?玉露と違いはあるの?
碾茶とは、どんなお茶なのでしょうか?
ざっくりいうと、玉露と同じように摘み取った茶葉を、手揉みをせずに乾燥させたお茶のことです。
ただ、これだけだとちょっと説明不足。
なので、碾茶や玉露の栽培方法と、ふつうの煎茶の栽培方法を比べてみましょう。
お茶は、通常は4月末〜5月上旬にかけて摘み取りを行います。
玉露を作るためには、摘み取りの約3週間前に茶葉に覆いをし、日光をさえぎります。
こうすることで、葉っぱがより緑色になり、肉厚なのに柔らかい葉っぱになるのです。
日光を少なく浴びる分、受けた日光を最大限活用しようとする働きで、味が豊かになり、甘さとコクが特徴的な味になります。
一方、煎茶は、この日光遮断はせずに、玉露と同じ時期に摘み取りをします。
それは、渋みを残しつつもさっぱりした味わいに仕上げるためです。
玉露・煎茶とも、摘み取り後は蒸して手揉み作業をし、乾燥させます。
では、碾茶はどうでしょうか?
碾茶は、摘み取って蒸す工程までは一緒なのですが、その後手揉みをせずに乾燥させます。
なので、碾茶の茶葉は玉露や他のお茶のように針状になっておらず、割と広がったままの状態です。
乾燥して出来上がった碾茶には、2つの飲み方があります。
- 玉露のようにふつうにお茶として急須で飲む
- 茶葉を石臼で粉状にして抹茶として飲む
碾茶は、抹茶として用いられるほうが多いので、そのままお茶として飲むのは、実はとても贅沢なんです。
その香りは格別で、とても豊かで強烈と言えるほどの強い香りがします。
そして、ゆっくりと低温で時間を掛けて抽出された味わいは、甘く、すっきりとしていて全く雑味を感じさせません。
できれば、神経が研ぎ澄まされている状態で、集中して飲んでいただくのが一番いいと思います。
・・・って言うと、なんだかちょっと緊張しちゃいますね。。
碾茶は、お抹茶で飲むときも、お茶として飲むときと同じで、香りがすっと引き立ちます。
味わいは、お茶の時よりも味が凝縮されています。
苦味と甘みと、両方感じることができますが、やはりこれもお茶の味に集中して飲むと、甘みが来るタイミングなどがよくわかります。
では、普通にお茶で飲むのと抹茶で飲む時の、2つの飲み方をご紹介しましょう。
碾茶の2つの飲み方とは?
碾茶って、お茶にしては珍しく、その形を変えるお茶です。
まずは、出来上がった茶葉をそのまま急須に入れて飲むときは、低めの温度で、ゆっくり時間を掛けましょう。
茶葉もいつもより多めに入れてください。
なぜなら、手揉みの段階を経ていないので、急須にお湯を入れてから、お茶の味が出るまでに、玉露や煎茶などの他のお茶よりも時間がかかるんです。
そして、茶葉自体も、自分の持っているお茶成分を出す準備ができていないのです。
玉露が1枚の茶葉で1のお茶成分を出せるとしたら、碾茶は1枚の茶葉で、7〜8割くらいでしょうか。
でも、だからこそ、私たちがいつも飲んでいるお茶とは違う、雑味のないお茶本来の味を楽しむことができるお茶なんです。
ちなみに、夏はお水で一晩掛けて、水出し碾茶♪なんていうのも、おすすめです!
碾茶が贅沢と言われる理由には、茶葉が多めに必要になるということ。
そして、時間をたっぷり掛け、ゆっくり味わう贅沢さにも表れているんじゃないかと思っています。
さて、次はお抹茶にする飲み方です。
碾茶は、乾燥させた茶葉の中でも、さらに茎や古い葉などを選別し、いい状態の葉っぱだけを残します。
それを石臼でゆっくりゆっくり挽いたものが、粉末状の抹茶となります。
茶道では、この粉末状の抹茶を茶筅で泡立てていただくのが、薄茶。
薄茶の5倍ほど濃く入れたものが濃茶と言われて、その味を楽しんでいらっしゃいます。
では、続いて、この碾茶が、どこで作られているのか見てみましょう!
碾茶は宇治が一流なの?ランキング当てクイズ!
お茶には、宇治茶、静岡茶、狭山茶など、お茶の産地として有名な地名が入っているお茶もありますね。
ところで、碾茶はどこが有名か知っていますか?
では、ここで、碾茶の生産ランキング当てクイズ!
1位〜3位を当ててみましょう!
まず3位は・・・
愛知です!
愛知はあまりお茶で有名な産地がないので、ちょっと意外ですね。
2位は・・・
静岡!
さすが、段々畑の広がる、広い静岡県ですね!
そして、堂々の1位は?
↓
↓
↓
ジャ〜ン、京都なんです!
さすが、期待を裏切らない答えですね〜。
茶道の本場、京都はやはり抹茶の生産地としても、日本で1位なんですね。
京都の中でも、宇治は高級茶の産地として名が知れており、抹茶を生産している老舗茶屋も多くあります。
そして、大切に仕上げられた宇治の碾茶は、香りがすっきりと立ち、自然の旨味や雑味のないお茶本来のコクを引き出します。
喉越しがとてもいいので、本当に飲みやすい贅沢なお茶となります。
そんなおいしい碾茶を、じっくりゆっくり石臼で引いたお抹茶は、宇治の碾茶独特のその香りや味わいを凝縮した、コクと旨味と苦味と甘さと、、、、
手間暇を惜しまず、大事に育てられて碾茶となり、石臼の重さでさらさらの粉となった抹茶から点てられたお茶を一口飲めば、その奥深さに気づくことでしょう。
ところで、茶道における一番重要な時期は、実は11月だと知っていますか?
粉末になった抹茶は、茶壷という壺に入れられ、11月の茶道でいう“炉開き”まで大切に保管されるんですよ。
ところで、ずいずいずっころばしという歌で、子供のころに遊んだ人は多いと思います。
何を唐突に、と思うかもしれませんが、あれはお茶に関係している歌なんですよ。
碾茶を茶葉にした後、茶壷(ちゃつぼ)という臺に入れて密閉して、保存します。
この高級な新茶を将軍様に上納するため、茶壷は大事に大事に、都まで運ばれます。
町を通る時には、庶民は恐れ多くて家の中に隠れるように身をちぢ込まって、茶壷が通り過ぎるのを待つのです。
興味を持った方がいたら、ネットで調べてみてくださいね。
さて、本題に戻って、次は碾茶のおすすめのお店をご紹介しましょう!
碾茶の販売店でおすすめは?
碾茶の販売店でおすすめなのはどこなのでしょうか?
- 碾茶をお茶として扱っているお店が少ない
- お抹茶の老舗は、ネットで検索すればすぐに出てくる
なので、今回はちょっと変わった視点で、2店舗ご紹介しましょう。
まず1店舗目は、碾茶をそのまま味わうのにおすすめのお店。
ロイヤルブルーティージャパン株式会社という会社です。
全然お茶屋さんぽい名前じゃないですね〜。
ここでは何が買えるのかというと、、、ワインボトルに入った碾茶です!
これをワイングラスで飲むという、なんともおしゃれで贅沢!
お茶じゃないみたいですよね。笑。
更に、お値段も聞いてびっくり!
1本なんと6000円近くします。
ワインだって、ここまでするのを買ったらかなりいいお味で、楽しめちゃいますよー。
そしてなんと、木箱入りなんてのもあります。
どれだけプレミアム感を出すんだよ!って思いますが、やはり碾茶にはそれくらいの魅力があるということなんでしょう。
一生に一度くらい、プレゼントされてみたいですね。
続いてご紹介するのは、抹茶の老舗。
丸久「小山園」です。
はい、京都のお茶屋さんです。
ここを紹介した理由は、日本で初めて、電動の石臼を使ったお店だからです。
石臼は昔は人が手で回していました。
でも、人が回すと、1時間で40グラムしか取れないんです。
40グラム、想像できますか?
薄茶を点てる時に必要なのは、1杯約1.5グラムなので、そこまでじゃないかも?と思うかもしれません。
でもあの重〜い石臼を1日中、毎日挽いていられますか?
大変ですよね。
小山園が電動石臼を開発したことで、抹茶の生産量は格段に早まり、私たちも今は不自由なくどこでも抹茶が買えるようになったんですよ。
そんな功績を勝手に称えて、小山園さんを紹介させていただきました。
では、碾茶についていろいろとお伝えしましたので最後にまとめましょう。
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碾茶〜まとめ
では、まとめです。
碾茶(てんちゃ)は、玉露や煎茶と違って手揉みせずに乾燥させて作られるお茶でしたね。
飲み方は2つ。
- 茶葉をそのまま急須にいれて飲む
- 茶葉を石臼で粉状にし、抹茶にして飲む
碾茶の生産地で有名なのは、やっぱり京都!その中でも宇治でしたね。
おすすめの碾茶販売店として、ロイヤルブルーティージャパン株式会社と、丸久小山園を紹介しました。
碾茶、興味が湧きましたか?
あなたもぜひ、碾茶でぜいたくなひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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