抹茶と碾茶(てんちゃ)の違いって、どこにあるの?
抹茶を作るために必要となる碾茶(てんちゃ)をご存知でしょうか?
抹茶が、緑茶と同じ茶葉、チャノキからできていることは広く知られていますね。
しかし、その過程には碾茶(てんちゃ)と呼ばれるお茶が関係していることを知らない方は、まだまだ多いように感じます。
ここでは、抹茶と碾茶の違いについて、また、碾茶が作られていく工程のことを、少し詳しくご説明したいと思います。
抹茶は碾茶(てんちゃ)から作られるの?
抹茶と碾茶の関係をカンタンに言えば、碾茶をごく細かい粉末にしたものが抹茶になります。
つまり、碾茶とは抹茶ができるひとつ前の状態のことです。
店頭で碾茶を見かけることはあまりないかもしれませんが、最近はインターネットで購入することができます。
ですから、碾茶と合わせて、ミルなどの粉末にできる機械があれば、自宅でも挽きたての抹茶が楽しめるというわけです。
昔の抹茶は、石臼で碾茶を手挽きして作られていました。
しかし、現代では「電動石臼」が使われる場合が多くなっています。
また、碾茶は抹茶の原料だからという理由で、そのままお茶として飲んでも良いと思われる方は多いのかもしれません。
しかし、碾茶は、そのままの状態でお湯で戻しても、抹茶や煎茶のような豊かな味や香りは楽しめません。
碾茶の香りはとても弱く、茶葉の成分も、そのままではあまり抽出されないのです。
そのため、碾茶は挽くことで初めて、香りや味わいが出てくるお茶だということが出来ます。
抹茶の元、碾茶(てんちゃ)はどうやって作られる?
抹茶の原料である碾茶(てんちゃ)は、煎茶や玉露と同じチャノキから収穫された茶葉を使って作られます。
しかし、実は、その製法は「栽培方法」から違いがあるのです。
碾茶になる茶葉は、発芽してから直射日光を30日前後、さえぎって育てられます。
玉露も同じように直射日光を遮断して育てますが、こちらは20日前後ですので、碾茶の方が手間がかかると言えるでしょう。
碾茶は製造工程の始まりに、成長した茶葉を摘み取り、すぐに蒸気で蒸してから乾燥させていきます。
ここまでは煎茶などの他のお茶と同じですが、乾燥段階で再び違いが出てきます。
煎茶などのお茶は、乾燥段階で揉みながら乾燥させますが、碾茶は風を当てながら水分を飛ばしていきます。
風を当てるのには重なるのを防ぐ効果もあり、バラバラの開いた茶葉の状態で乾燥させていくのです。
この工程を散茶といい、出来上がったものを荒碾茶といいます。
次に、茎や葉脈などの余計な部分を取り除き、碾茶が完成していきます。
最後に、この碾茶を石臼などで細かく挽くことで抹茶が出来上がるのです。
抹茶と碾茶の関係、お分かりいただけましたか?