抹茶の季節〜抹茶の旬は春ではない?〜

抹茶の旬

 

抹茶の季節(旬)というのをご存知でしょうか?

 

 

四月に芽を出した茶葉は約一ヶ月をかけて成長し、収穫できるようになります。

 

そのため新茶が出回る季節は5月ですが、抹茶の旬はそうではありません。

 

 

同じように育てた茶葉を使うのですから、確かに抹茶用の茶葉も「5月」に茶摘みが行われます。

 

しかし、抹茶の季節に関しては「5月です」とは言えない、ある理由が存在するのです。

 

 

ここでは、抹茶の季節(旬)についてご説明します。

抹茶の季節(旬)は収穫から半年後?

では、抹茶の季節(旬)が5月ではないと言われる理由はなんでしょうか?

 

 

抹茶は茶摘みのあと、蒸し、乾燥を経て抹茶として完成されます。

 

しかし、粉末状にする前に、抹茶は低温で半年ほど「熟成保存」をする必要があるのです。

 

 

そんな乾燥させた茶葉のことを「碾茶(てんちゃ)」と呼んでいます。

 

この碾茶を粉末状にしたものが、抹茶というわけです。

 

 

茶葉のままで保存するのには、明確な理由があります。

 

それは、粉末状にしてしまうと抹茶は日持ちしないからです。

 

 

そのため、抹茶の季節、つまり「旬」は、茶摘みから半年の熟成を経た11月ということになります。

 

 

抹茶の新茶は、蔵出し茶や封切茶、熟成茶と呼ばれています。

 

それらの抹茶は、渋みが少なく本格的な香りや風味を楽しむことができます。

抹茶の季節(旬)〜11月まで熟成保存するとどう変わる?

抹茶の季節(旬)である11月まで茶葉を「熟成保存」すると、一体なにが変わるのでしょうか?

 

 

抹茶は乾燥させて、すぐに粉末状にして飲むことはもちろん可能です。

 

しかし、それでは抹茶の香りや風味が弱く、泡立ちも弱くなってしまうのです。

 

 

それが、熟成保存することによって泡立ちがよく、うま味や甘味の感じられる抹茶に仕上がります。

 

その理由は、渋味や苦味成分に関係のあるカテキン類が減少するためです。

 

 

しかし、その他の成分は変化しないので、品質は劣ることなく飲みやすい抹茶になると言えるでしょう。

 

また、茶道では11月の季節に「口切りの茶事」が行わます。

 

 

これは、5月に摘み取って加工した茶葉を壷に詰めておき、それを開封して臼で挽いたものを濃茶にして点てるという季節行事です。

 

茶人の正月とも呼ばれる新茶を味わう行事で、昔の人は科学的根拠がなくとも、熟成することの大切さを知っていたということでしょう。

 

 

そんな抹茶は、直射日光を遮って育てられた一番茶を使い、機械ではなく手摘みのためにとても手がかかります。

 

抹茶の季節までの熟成保存や加工する手間もかかり、粉末状にしてしまうと日持ちがしなくなることがあります。

 

 

そのため、抹茶の値段は煎茶など他の茶葉に比べて高価になってしまうのです。

 

旬の抹茶をいただける11月は、お茶好きにとっては格別の季節と言ってよいでしょう。

 

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