茶釜って、どんなものかご存知ですか?
茶釜(ちゃがま)って聞いたことはあるけど、実際に見たことってありますか?
ご飯を炊くためのお釜は身近に感じるけど、茶釜はあまり身近じゃないですよね。
お茶を淹れるためのお釜?急須の大きいもの?笑。
茶釜って、普通に火にかけるの?
現代で使うなら、電気のものやIH対応のものもあったりするのかしら?
あったら便利だけど、どうなんでしょう。
色々とわからないことが多いようですね。
今回は、そんな茶釜に関する使い方や種類、電気なのかIHもあるのか?について、詳しく見ていきましょう。
茶釜とは?意味があるの?
茶釜って、何でしょう?
茶の釜と書きますが、どんな意味があるのでしょう。
そもそもは、お茶を淹れるために使われるお釜のことを指します。
きっと一番聞いたことがある茶釜は、ぶんぶくちゃがま、ではありませんか。
ぶんぶくちゃがまって、昔聞いたことがある話だけど、それって何なの?どんな意味があるの?と思っている方、実は多いのではないかと思います。
そう、あのタヌキが茶釜に化ける昔話のことです。
茶釜は、それくらい昔から庶民の生活の仲間で存在していたのですね。
昔は、お坊さんがお寺でお茶(茶道のお抹茶のことですが)を淹れることや、お茶会が開かれることが多くありました。
タヌキは茶釜に化けて、水を足さなくてもお湯が沸き続けるという不思議な茶釜になり、とても話題になったとか。
こんな昔話になるくらいですから、茶釜は昔からよく親しまれてきた、茶道のお道具だったようですね。
では、今一度、茶釜についてしっかり説明いたしましょう。
茶釜とは、茶道の際に使われる、お湯を沸かすための大きな鉄でできた釜のことです。
鉄でできている上に、中にたっぷりお湯を入れるので、そりゃあ重いんです!
それを、冬は炉という畳の中に作った場所の中に、そして、夏は風炉と呼ばれる持ち運びのできる炉の中に炭で火をおこし、五徳の上に載せます。
そして、抹茶を点てる際に、柄杓(ひしゃく)を使ってお湯を汲み取って使います。
茶道では、お抹茶も大事ですが、お釜でお湯が沸かせないと、お抹茶が点てられないので、お釜はとても大切な道具なんですよ。
お茶会を行う時には、釜をかける、なんていう言い方があるくらいです。
茶釜の出番・重要性について説明したので、次は茶釜をどうやって使ったらいいか、お話していきましょう。
茶釜の使い方!注意すべきポイントはあるの?
では、茶釜はどうやって使うんでしょう?
お湯を入れると書きましたが、準備や使う時の注意点について、見ていきましょう。
茶釜は、鉄でできています、とお伝えしましたね。
空っぽでもそれなりに重さがあるので、気を付けましょう。
基本的には素手では持ちません!
空っぽの時は、タオルやふろしきなどで、周りを包み込むように持ってもいいです。
もしくは、釜の肩のあたりに、小さな持ち手がくっついているので、それを”環”という金属でできた丸い輪っかを使って持ち運びます。
穴は開いていますが、とても小さいので、コーヒーカップのように手を入れたりはできません。
環を、この小さな穴の中に通して、丸い環を手で持ち上げることで、茶釜を運びます。
中身ですが、使う前に一度内側と外側を清めてから、八分目までお湯を入れます。
この分量が難しかったら、柄杓を釜の口に上向きに平になるように置き、柄杓の底の部分がお湯に触れるくらい、と覚えるといいでしょう。
もちろん、お水を入れて沸かすこともあります。
・・・が、とても時間がかかるので、通常はやかんなどで別にお湯を沸かしておき、それを運ぶ前に入れます。
お道具は、お茶室に運ぶ前に、お客様にお出しする体を整えておきます。
でも、重いからといって、お茶室に空のお釜を運んでからお湯を入れることは、絶対にしません。
なので、お釜はとても重くなるので、持つときは慎重に、ちゃんと力を入れられる態勢で持ち運びしましょう。
使い終わった後は、早めにお湯をすべて空け、釜の余熱で水分をしっかり飛ばします。
鉄なので、水分が残っていると錆びてしまうかもしれません。
釜の底の、炭に当たっていた部分は、底洗いという道具があるので、それを使ってきれいにします。
これが、大まかな茶釜の使い方です。
では、茶釜とは言っても、どんな種類があるのか、気になりますよね。
茶釜に種類があるの?
茶釜はどこかで目にしているとは思いますが、その形は本当に様々です。
茶釜の基本的な形は、約50種類くらいあるんですよ!
そんなにいろんな形があるなんて、びっくりしますよね。
多分、一番オーソドックスなのは、丸い寸胴みたいのかと思いますが、どうでしょう?
丸いもの、三角形のもの、四角形のものも八角形のものまであったりします。
そして、何かに見立てて作られているものも多いんです。
例えば、富士山。
上の方はすっとしていて、下にいくと富士山のように裾が広がっていく感じ。
あとはひょうたんの形に似せたもの、鶴の首のように見えるもの、、、などなど。
色んな形を見てみるのも楽しいですよ。
形もさることながら、実は釜の肌(表面)に模様が入ったりしているのもあるんです。
雲の模様が入っていたり、亀甲模様だったり、これもまた目に楽しいお釜です。
それから、釜のお腹のちょっと下の方に、ひさしみたいのがついている釜があったりもします。
これは、羽といいます。
この羽を使って、お釜を支えることもあるんですよ。
知れば知るほど奥が深いので、ぜひ色んな形を探して見てみてくださいね。
ところで、そんなにいっぱい見たら買うときに困っちゃう!という方に、選び方や、電気やIHに対応するものかどうかについても、お伝えしましょう。
茶釜の選び方!電気やIH対応もあるってホント?
もし茶釜を買うことになったら?
何を基準にしたらいいか、迷ってしまいますよね。
選ぶ際の基準としては、予算と釜の火をどうするか、の2点に絞るのがいいのではないでしょうか。
まず予算です。
15万円くらいでしたら、そこそこいい釜が手に入ると思います。
30万円まで出せる!という方でしたら、一生使える気に入った形・模様のお釜を手に入れることができます。
それ以上でも構わない!という方にお勧めするのは、新しいものではなく、昔から使われてきた古いお釜を探してみてください。
味わいのあるいいお釜に出会うのは簡単ではありませんが、その分、出会った時の特別感は強いと思います。
次の釜の火について、ですが、これは炭で火をおこせるのか、ということですね。
普通の家庭でお抹茶を点てる際に、炭で火をおこして釜を沸かす、というのはかなり難しく、あまり現実的ではないように思います。
もちろん、それが一番おいしくお茶を点てられるので、炭を使える方は炭用のお釜を購入してください。
それが難しい方には、電気式とIH式の両方があるので、好きな方を選んでください。
電気式の方が、炭を真似た形の電熱部分となっていますし、五徳に似ているものもセットされているものが多いので、あまり違和感はないと思います。
IH式は、釜の底をしっかりくっつけなくてはならないため、五徳も使えませんし、見るからにIHという感じになってしまうので、少し味気なさはあります。
どちらも、自分がそれを使ったときにどう思うか、だと思います。
全体的な見た目、茶道では”風情”と言いますが、自分なりの良いと思う”風情”を探してみてください。
お道具もまた、一期一会ですから。
茶釜の手入れ!錆が出たらどうすれば良い?
気に入ったお道具が見つかったら、大切に使いましょう。
上の方で、茶釜の使い方と片づけについても少し触れましたよね。
茶釜は鉄で作られているものがほとんどなので、水分だけには注意してください。
それ以外は、特別な手入れは必要ありません。
洗剤で洗うなどはもっての他なので、使う前と使った後に、水で内側と外側をよくゆすぎ、水分をしっかり取ってあげれば大丈夫です。
でも、もし錆びがついてしまったら、どうしたらいいでしょう?
錆びていても、お湯が黒や赤っぽくなったり、変な味を感じなければ、そのまま使い続けて問題ありません。
お湯が黒や赤くなってしまったら、それはよろしくないので、その場合は、茶殻を入れてお湯を沸かしましょう。
色のつかないお湯になるまで、繰り返していただき、お湯がまっさらになったらもう大丈夫です。
茶釜で沸かしたお湯は、とてもまろやかで口当たりが優しくなり、女性にとっては無理なく鉄分を吸収できる、とても優れたものです。
あまり神経質にならずに、日常に取り入れることができたらいいですね。
それでは、茶釜について色々と話してきましたが、最後にまとめましょう。
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まとめ
今回は、茶釜についてお伝えしました。
茶釜とは、茶道で使うお湯を沸かすためのお道具です。
使い際には、素手で持たず、環という道具を使いましょう。
鉄の道具なので、お湯を入れるとさらに重くなりますから、持ち運びには気を付けてくださいね。
茶釜は50種類近くの形があり、釜の肌に模様が入っているものなどもあります。
選ぶ時は、予算と、新作か古い釜か、見た目の風情を大切に。
使用前と後は、水だけ洗いで、乾燥をしっかりさせて、長く使ってあげてくださいね。
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