あさつゆという日本茶の品種について
日本茶には「あさつゆ」という品種のチャノキがあります。
「あさつゆ」とは、静岡県金谷町にある茶業試験場にて、宇治在来種の実生から選抜されて育成された早生種のチャノキです。
「あさつゆ」で作られた煎茶は甘味や旨味が強く、渋味が少ないことから「天然玉露」とも呼ばれています。
「あさつゆ」という品種は、主に九州地方を中心に栽培が行われています。
さらに、収穫量も少ないため、煎茶の「あさつゆ」というチャノキの名前を初めて聞いたという方も多いのかもしれません。
そこで、今回は「天然玉露」と呼ばれている「あさつゆ」から作られた煎茶についてお伝えします。
あさつゆの煎茶のお味は?
あさつゆの煎茶の味って、どんな味?という方のために、まずは味について少しお伝えします。
「天然玉露」と呼ばれているあさつゆは、深蒸し煎茶にされることが多いのですが、濃厚な甘みとまろやかな味わいが特徴です。
あさつゆで作られる煎茶は、青みがかった美しい緑色の水色と、甘味と旨味を強く感じられる日本茶です。
あさつゆの煎茶は、多少お湯が熱めであったとしても、渋みやイヤな苦みが出にくいという特徴があります。
そういう意味では、日本茶を初めて淹れるという方にとっても、失敗が少ない煎茶と言えるでしょう。
しかし、あさつゆという品種は栽培管理が難しく、手間暇のかかる品種としても知られています。
そのため、生産量がなかなか上がらず、たいへん貴重な緑茶のため、他の品種よりも高値で取引されています。
あさつゆの煎茶の魅力と言えば?
あさつゆで作られた煎茶の持つ魅力とは、どのようなところにあるのでしょうか?
あさつゆの魅力は、淹れたときに上品な香りがふわりと立ち上がり、スッキリとした爽やかな口当たりと苦味が少なく、濃い旨味と優しい甘味を感じることができるところです。
あさつゆで作られた煎茶を淹れる際は、70℃〜80℃のお湯で淹れるのが良いです。
しかし、濃いめに作ったあさつゆを氷入りのガラス製のコップへ注ぎ、冷茶として楽しむのもオススメです。
今まで、煎茶の原材料となるチャノキの品種にはこだわっていなかったという方も大勢いると思います。
なので、たまには玉露のような香りや味わい、水色が楽しめる「あさつゆ」で作られた煎茶で、プチ贅沢してみるのも良いですよ。
では、最後に「あさつゆ」の煎茶の淹れ方をカンタンにお伝えします。
あさつゆの煎茶の淹れ方
(1)まず、水を沸かして、一旦沸騰させてください。
(2)急須に茶葉を入れ、少し置いて冷ましたお湯を注ぎます。
※温度が高めのお湯にすると、苦みや渋みが出やすいということを頭に入れておいてください。
そのため、お茶の持つ甘味やまろやかさを出したい場合は、低めの温度(70〜80℃)まで冷ましてから使用してください。
(3)湯呑に人数分を注ぎ分けます。※その際、最後の一滴まで注ぎ切ることがおいしいエキスを最後まで堪能するコツです。
何度か淹れて見て茶葉の量を調整し、自分の好みの濃さを探すと良いでしょう。