めいりょくの煎茶は、どんなお茶?
煎茶などに加工される「めいりょく」というチャノキのことをご存知でしょうか?
煎茶の元となるチャノキには、実にいろいろな品種がありますが、「めいりょく」もその一つです。
「めいりょく」は、静岡県は金谷市という場所にある農水省茶業試験場にて誕生しました。
めいりょくは「やぶきた」を母、「やまとみどり」を父にもつ品種で中生です。
ここでは、煎茶等に加工されるチャノキ「めいりょく」についてご説明します。
めいりょくの煎茶!品種や特徴は?
煎茶等に加工される「めいりょく」というチャノキは、一体どのような品種なのでしょうか?
めいりょくは、とにかく生育旺盛なチャノキです。
生育過程において、枝の分かれる数も多く、安定して多くの収穫が見込めます。
また、寒さや病気にも強く、生産者としては扱いやすい品種が「めいりょく」といえるでしょう。
さらに、寒さだけでなく干ばつなどのストレスにも強く、丈夫なチャノキなので広い地域で栽培されています。
ただし、めいりょくは「裂傷型の凍害」にはやや弱いので、冬場には注意が必要となります。
煎茶のめいりょくは、誕生した静岡をはじめ、四国や沖縄でも栽培されています。
基準としては、標高700m以上の標高の高い地域での栽培が適していると言われています。
日本の栽培シェアでは1位を誇る「やぶきた」は中山間地域での栽培が適しているので、「めいりょく」は住み分けが可能な品種と言えるでしょう。
ただ、めいりょくの生育には肥料がたくさん必要になることが特徴の一つでもあります。
そのため、少ない肥料しか与えずに栽培してしまうと味や色味が弱くなってしまうこともあるのです。
煎茶等の原料となる「めいりょく」は、手間がかからず育てやすい反面、しっかりとした投資が必要なチャノキと言えるでしょう。
ちなみに「めいりょく」という名前の由来は、明るい緑色の見た目からつけられたもので、その色は飲む前から視覚から癒しを与えてくれます。
めいりょくの煎茶の魅力!人気の秘密は?
「めいりょく」から作られる煎茶は、どのような味わいなのでしょうか?
めいりょくの煎茶は、開発された当時は「旨みが少なくて味も薄い」という低評価でした。
しかし、現代では、クセがなくてスッキリ飲めると評価が逆転しました。
現在、柔らかい甘味と清涼感のある飲み口で、煎茶の「めいりょく」は人気を博しています。
めいりょくの煎茶は、もともとクセが少ないので、濃い目に入れても美味しく飲むことができます。
また、めいりょくは、かぶせ茶で栽培している所もあり、その場合は最大の特徴である色味がアップするという利点があります。
より鮮やかな色味を楽しみたい方は是非、かぶせ茶で栽培された「めいりょく」をお試し下さい。